土地の売却を検討している方にとって、地中埋設物の処理方法がわからないものです。
同じ用途として使うから問題ないと思っても、トラブルが起きたら対処が大変になるでしょう。
そこで本記事では、土地売却の地中埋設物について解説します。
地中に何があるのかを確かめる調査方法や撤去方法も解説するので、参考にしてみてください。
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まずは基本情報として、地中埋設物とは何かについて確認しましょう。
該当する範囲が広く、地中に埋まっている不要物が当てはまります。
地中埋設物とは
地中埋設物とは、地中に埋まっている建設廃材などです。
既存建物で使われていた基礎やコンクリートの一部、建設資材として使用されていた屋根瓦などが該当します。
浄化槽や井戸、水道管なども当てはまり、タイプ別に適切な対応が必要です。
身に覚えのないものの地中埋設物
木造の家で瓦を使っていなくても、地中には瓦が埋まっている場合があります。
本来は地中に埋めないで撤去すべきですが、廃材の処理費用を抑えるためにずさんな処分をおこなったのが原因です。
地中に埋めても建物の強度が増すことがなく、重機で圧力をかけてしまうと取りにくくなります。
そのため、地中にどんな廃材が埋まっているかが誰にもわからず、買主から処分の要請があった場合は対応しなければなりません。
土地売却の地中埋設物における調査をおこなう理由や調査方法
そもそも地中埋設物は、何のために調べるのでしょうか。
ここでは調べる理由と、具体的な調査方法を解説します。
調査は3段階あるので、順番に実践してください。
調査をおこなう理由
調査をおこなう理由は、瑕疵担保責任のトラブルを避けるためです。
瑕疵とは、不動産取引上で見ただけではわからない欠陥や不具合を指します。
この場合、地中埋設物があるのを知っているのに、売却が有利になるように事実を伝えないで取引すると瑕疵担保責任に問われやすいです。
瑕疵担保責任に問われてしまうと、買主の請求によって埋設物を撤去しなければなりません。
撤去するための費用がかかりますので、調べるのは必須といえるでしょう。
他にも説明義務違反として扱われると、損害賠償を支払う可能性が出てきます。
瑕疵があると認識している、または調べていない場合は、売買のトラブルを避けるために調査をしてください。
なお、瑕疵担保責任は2020年4月1日より契約不適合責任になって、売主の責任がより重くなりました。
契約書に記載されていない、または記載内容が一致していない場合は、売主が不利になります。
地歴調査
地中調査は、過去にどのような使われ方をしていたかを調べる方法です。
登記簿や地形図、古地図などを利用すると判明して、簡易的な調査でも5〜10万円ほど掛かります。
住宅地があったところを購入したとしても、過去の状況をさかのぼれば埋設物がある可能性が高くなるでしょう。
たとえば過去に工場として利用されていた場合、地中をくまなく調べるのを推奨します。
理由は建設廃材が重機で押しつぶされて、埋まっている可能性が高いからです。
放置しておくと家を建てる際に、基礎工事の障害になって買主の負担が大きくなってしまいます。
他にも薬品が地中に浸透して、汚染している可能性もあるので注意してください。
地中レーダー探査
地中レーダー探査は地歴調査の後におこない、地中に電磁波を当てて反射波形で埋設物があるかを確認する方法です。
費用は10〜15万円程かかりますが、目に見えないものを確認できて掘る必要がありません。
反射パターンから埋設物が何かを予測できるので、漏水調査にも役立って便利です。
たとえば一か所で反射波の反応が数mまである場合、埋設管が埋まっていることがわかります。
他にも盛土層や砂礫層、粘土層などもレーダーで探知できて、層とは関係ない反射波がありつつ地歴調査で工場の記録があると汚染埋設物の可能性が高いです。
空洞の有無も確認できるので、建設した建物が崩れるリスクを防げます。
ボーリング調査
ボーリング調査とは、地歴調査と地中レーダー調査を行った後におこなう調査です。
費用は簡易版のスウェーデン式サウンディング試験であれば10万円程度ですが、本格的なボーリング調査では30万円程掛かります。
地面に8cmほどの穴を開けたあと、鉄の筒状部品であるサンプラーを入れてハンマーで打撃する方法です。
土質や強度が判断できて、1mごとに調査がおこなわれます。
液状化の判定もできるので、安心して土地の活用ができるのがポイントです。
土地売却の地中埋設物における撤去方法や撤去しなくても問題ないもの
地中埋設物があるとわかったら、撤去をして売却できる土地に整備する必要があります。
ただし、中には撤去しなくても問題ないものがあるので、撤去方法と合わせて確認してください。
水道管
埋設物の撤去は必要ですが、水道管は撤去する必要がありません。
水道管を撤去してしまうと、買主のライフラインがなくなってしまいます。
また、既に水道管がない土地の場合は、土地価格から水道工事の代金を差し引く必要があり、工事は売主が負担するのが一般的です。
水道管によっては耐久性が劣っていたり、素材が悪かったりして交換が必要になるケースがあるので、詳しく調べておきましょう。
とくに、隣の敷地に水道管が通っていると深刻です。
水道管は前面道路に埋設されていて、各住戸に引き込む仕組みになっています。
他人の土地に水道管が通っていると、値下げの要因になりやすいので覚えておきましょう。
水道管がしばらく使われていないタイプになると、健康に悪影響をおよぼす可能性があるため調べてください。
基礎杭
基礎杭は、地表から1.5mの深さまでになければ問題ありません。
もし深さ1.5mまであるなら、杭頭を切断するだけで撤去完了です。
地中深くまである基礎杭の撤去は困難で、すべて抜くと膨大なコストがかかります。
とくにコンクリート造の建物やビルの敷地は、基礎を深くまで打ち込まなければなりません。
基礎杭なら土壌汚染や地盤沈下の心配はないですが、買主が基礎杭を抜く依頼をする場合は話し合いが必要です。
基本的には工事費用を折半になり、金額は杭の種類や深さによります。
地下5m以下になると専用の重機がないと抜けなくて、費用は1本数万円〜数十万円です。
全てを撤去すると、100万円以上かかる場合もあります。
瓦・コンクリートガラ
地中埋設物で多いのは瓦やコンクリートガラで、住宅地で見つかりやすいです。
掘り起こした地中埋設物を産業廃棄物処理場にトラックで運んでいく方法で、費用は20〜30万円かかります。
重要事項説明書に記載して買主本人に説明すれば、撤去しないで売却することが可能です。
ただし、平成24年11月13日の東京地方裁判所の裁判で、地中埋設物がないと説明されたのに、発見された事例がありました。
売主と仲介業者の説明が違う、重要事項説明書の義務を果たしていないなどが原因で、買主は仲介業者に対して約1,000万円の損害賠償を求めて提訴しました。
撤去の詳細は買主にわかるように説明して、重要事項説明書に漏れがないようにしましょう。
まとめ
地中埋設物とは、地中に埋まっている建設廃材などです。
瑕疵担保責任のトラブルを避けるために調査が必要で、地歴調査、地中レーダー探査、ボーリング調査の3段階が使われています。
撤去しなくても問題ないものはありますが、買主に対しての説明と重要事項説明書の記載を忘れないようにしましょう。
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