日本の国籍を持っていない、永住権を持っていないけれど、日本で土地や建物を購入することはできるのか、そのための住宅ローンを組むことができるのかにお悩みですか?
期間の縛りなく日本に住み続けられる権利の基礎知識から、外国籍の方が住宅ローンを組むことができるのか、そのためにやっておくと良い対策など、住宅ローンを組むための方法をご紹介します。
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弊社へのお問い合わせはこちら永住権なしの住宅ローン審査への影響は?
在留期間や就労などの制限を受けることなく日本に住み続けられる権利のことを永住権と呼びますが、その権利とは一体どのような意味を持つのか、審査基準とともに解説します。
永住権とはどのような権利?
永住権とは、その国の生まれではない方が在留期間の制限なく滞在国に永住することのできる権利のことを指します。
その権利を得た方を永住者と呼び、10年以上継続して在留しているなどの一定の条件を満たす一般永住者と、平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者が得る特別永住者に分けられます。
日本では法務大臣から永住許可が与えられ、許可を得た方は日本人と同じように暮らすことができるので、就労や行動などに制限を受けません。
ただし、その権利を得るには一定の条件をすべて満たす必要があることから、簡単に取得できる権利ではないと考えられています。
帰化と似ていますが、帰化は国籍も変えて日本人になることを意味し、永住者は国籍はそのままで日本人と同等の権利を与えられている点が異なります。
永住権の審査基準
永住権を得るには厳しい審査を通過する必要があり、平均4か月と言われる長い審査期間を経て、ようやく許可が与えられます。
審査基準となる3つの条件は、素行が善良であること、独立の生計を営むのに足る資産や技能を有すること、その者の永住が日本の利益に供すると認められることです。
素行が善良であることは、法律や規則を守って生活できるかということが審査され、重い罪を犯していたり、何度も繰り返し違反した経歴があったりすると許可が下りません。
独立した生計を営むに足る資産や技能の有無は、日本で暮らしていく収入を自分で得られるかを審査し、個人ではなく世帯全体での収入が審査対象となります。
その者の永住が日本の利益に合するかという抽象的な基準は、噛み砕くと10年以上在留し、法に違反せず安定した暮らしを営み、感染症などの病気にかかっていないことと解されています。
審査基準は決して満たせないほど厳しいものではないため、審査に時間はかかっても、大きな違反や問題を起こしていなければ取得するのは困難ではないでしょう。
永住権なしでも住宅ローンを組むことは可能!
永住権なしでも、日本で不動産を購入して住宅ローンを組むことは可能ですが、そのためには権利を持っていないからこそ満たさなければならない条件があります。
永住権のない方が住宅ローンを組むために満たすべき条件
日本の永住権を持たない方でも住宅ローンを組むことは可能ですが、それには長く日本に住んでいることや、安定した継続的な収入があることなどを証明しなくてはなりません。
住宅ローンの審査では、最後まで確実に返済できるかどうかが重要視されるため、返済期間中に帰国され、連絡が途絶えてしまうと回収が難しくなってしまう恐れがあり、永住権なしは敬遠されます。
それを避けるために、日本人または永住権を持つ人が配偶者である、または連帯保証人になってもらうなどの条件を付けられるケースもあるでしょう。
金融機関によって審査条件はさまざまなので、永住権なしの外国人でも融資が可能というケースもあり、融資を受けたい金融機関にまずは確認してみることをおすすめします。
永住権なしで住宅ローンを組みにくい理由
多くの金融機関では、融資する前提条件に永住権を持っていることとしていますが、それは金融機関自体が国内向けの業務が主体であり、外国人向けの融資の取り扱いがほとんどないからです。
その理由には、債権回収の難しさもありますが、日本人でも理解の難しい契約内容を日本語が不確かな外国人に理解してもらわなければならない契約上の難しさもあるのです。
一般的な会話に使われる言葉だけでなく、契約書には法律用語や金融機関独特の専門用語が多用される点が、理解が困難と言われる理由でしょう。
民法95条には、契約者が契約内容を正しく理解できていない契約は無効とすると明記されているため、金融機関側はより慎重にならざるをえないと考えられます。
また、脱税やマネーロンダリングを防止する対策が強化され、海外に資金を移動させる動きに厳しさを増していることも、窓口の狭さに拍車をかけています。
永住権なしで住宅ローンを組むための対策とは?
日本で住宅を購入し、ローンを組むことは永住権を持っていなくても可能ですが、審査を通過しやすくするために事前にできる対策をやっておくと良いでしょう。
永住権なしで住宅ローンを組む対策①:日本国籍を持つ配偶者が契約者となって契約する
もっとも簡単な対策は、日本国籍か永住権を持つ配偶者に契約者となってもらうことで、住宅ローンを組める可能性が高くなります。
日本人であっても安定した収入がない場合やほかにもローンを抱えている場合には、審査を通過できない可能性はあるので、確実にローンが組めるというわけではありません。
契約者となる方の収入や勤続年数、そのほかに借金があるかどうかなどが総合的に判断され、ほとんどの場合、連帯保証人を付ける必要があります。
契約者が単身で住宅ローンを組みたい場合には、審査基準はより厳しくなるため、保証人を誰にするかもあらかじめ考えておくと良いでしょう。
永住権なしで住宅ローンを組む対策②:母国に本店のある金融機関で住宅ローンを組む
もっとも住宅ローンを組みやすい対策は、母国に本店がある金融機関の日本にある支店で申し込みをおこなうことです。
金融機関の懸念点である債権回収の難しさは、帰国した場合に音信不通となってしまうことですが、契約者の母国に本店がある金融機関であれば、その懸念は解消されます。
母国での信用情報の確認も取れることから、永住権なしで日本に本店のある金融機関に申し込むよりも借り入れできる可能性は高くなると考えられるでしょう。
ただし、金融機関によっては住宅の購入金額の7〜8割しか融資できない場合や、審査に落ちた場合には手付金などが返却されないなどの制約を受けるリスクがあるかもしれません。
永住権なしで住宅ローンを組む対策③:住宅ローンの頭金を通常より多めに用意しておく
堅実な対策をするならば、住宅ローンの頭金を通常よりも多めに用意し、金融機関から信頼を得るためのアピールとします。
頭金がいくら用意できるかどうかは契約者の資産力を伝えるチャンスでもあるため、通常よりも多い頭金を用意できると伝えておくと、審査に通過しやすくなるでしょう。
頭金の目安は、住宅の購入価格の20%ほどと言われており、5,000万円の住宅を購入する場合の頭金の目安は1,000万円です。
この金額よりも多く用意できれば、金融機関から返済途中で帰国される心配や返済が滞る心配が少ないと判断されやすくなります。
まとめ
一部の金融機関では永住権なしでも融資をおこない、日本語が不十分でも通訳を介して契約内容を理解できれば良いとしているところもあります。
クリアできる条件を提示する金融機関を探すことができれば、永住権に左右されずに家を持つことも夢ではありません。
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