所有する中古マンションの売却を検討しているのであれば、リースバックを選択肢の1つとしてくわえてみてはいかがでしょう。
通常の売却とはまた違った特徴があるため、向き不向きはありますが、魅力的な方法として注目されているのは事実です。
ではそのリースバックについて、まず中古マンションで利用できるか、また一戸建てとの条件の違い、そして注意点について解説していきましょう。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら中古マンションの売却にリースバックは利用できるか?
たとえば老後の生活資金やローンの返済が不安といった場合、所有する中古マンションを売却して、現金化するといった方法があります。
ただこのケースでは、売却後には買主にその部屋を引き渡すため、売主は引っ越さなければならず、部屋探しや引っ越しの費用など新たな不安が出てくるものです。
こういった場合に有効な方法としてリースバックがあり、これは所有する不動産をいったん不動産会社に売却し、その後その会社と賃貸借契約を結ぶ方法を言います。
つまり不動産の所有者は不動産会社に代わりますが、自身は賃借人となり家賃を支払いながら、今までどおりそこに住み続けられるわけです。
また借金がありそれをすぐに返さなければいけない、病気で長期入院となった、など今すぐにまとまった現金が必要な場合にもこのリースバックは力強い味方となるでしょう。
もちろん、将来的にまとまった資金を用意できる予定があり、さらに再びその不動産の所有者になりたいのであれば買い戻しも可能です。
一方で心配なのが住宅ローンの返済についてですが、返済が残っている場合でも条件次第ではリースバックの利用は可能なため、事前に問い合わせてみると良いでしょう。
このようにリースバックは売却後も変わらずそこへ住み続けられる方法として利用されるものですが、ほかにも資産の整理といった面でも活用できます。
たとえばパートナーを亡くし、自身は有料の老人ホームへと移る場合や、法定相続人が多く遺産の分割を現金でおこないたいといったケースがそれに当てはまります。
ただ、いくらこのサービスを利用したいと思っていても、それができるかどうか分からない物件もあり、その代表的なものが中古マンションなのです。
このサービスの利用を考えたとき、まず不動産会社のホームページなどで確認をしますが、ほとんどの場合、そこに中古マンション利用不可といった記述はされていません。
そのため問い合わせたときに初めて利用不可の条件を知るといった例も珍しくはなく、基本的にはマンションのリースバックはできないと考えたほうが良いでしょう。
それでもこのサービスを利用したい場合は、リースバック対応の不動産会社を探し出したうえで、その不動産会社による物件の査定をクリアする必要があります。
この査定基準は各不動産会社によって異なるため、1つの不動産会社で断られた場合は、ほかの会社に当たってみるのも1つの方法です。
中古マンションと一戸建ての売却においてのリースバックの違い
中古マンションと一戸建てのリースバックの違いについてですが、まずはその物件にいくらの価値があるのかを調べるための現地調査についてです。
この現地調査は、一戸建てであれば接道状況や隣地との境界線やライフラインの引き込み状況、そのほかゴミ置き場の場所などの確認をします。
とくに一戸建ての場合一軒一軒がいわばオーダーメイドにより、立地もそれぞれ違いがあるため、正確な査定をするためには必須と言えるものです。
逆に中古マンションはほかの部屋が売りに出されていればそれが参考になり、また管理状況なども管理会社から入手しやすいため現地調査の重要度は低めとなります。
さらに不動産会社のなかには、マンションであれば現地調査が不要としているところもあり、一般的に中古マンションは一戸建てにくらべ査定や買取が早く進みます。
両者の違いについて次に挙げるのは、経年による資産価値の移り変わりで、木造一戸建ての場合は築15年で20%、さらに築35年で10%と下落は急激です。
一方の中古マンションの場合はまず購入直後に10%の下落があり、その後は築年数に応じてゆるやかに下降していき、築35年時点では30%となります。
つまり中古マンションは築浅の状態であれば高く売れやすく、一戸建ての場合は土地があるため、築年数が経ってもその下落は下止まり傾向にあるのが大きな違いでしょう。
ほかには、中古マンションの場合は一戸建てと比べ、自宅を売却しても同じエリア内で代わりの物件を見つけやすいのが特徴です。
一戸建ての場合は、そもそも賃貸物件の絶対数が少なく、近所で同じような物件が見つかりにくいうえ、ペットや駐車場などの条件が重なるとさらに見つけにくくなります。
そしてランニングコストの面でも違いがあり、一戸建てであれば目立ったコストは必要ありませんが、中古マンションの場合は、管理費や修繕積立金がかかります。
つまり不動産会社が投資として中古マンションを見たとき、よほど需要のある物件でない限り、ランニングコストの高さはリスクとなり、避けたい物件と言えるのです。
中古マンションをリースバックとして売却するときの注意点
中古マンションは不動産会社にとって、リースバックの対象物件としては避けたがるものですが、それでも売却しやすい物件には立地や築年数などに特徴があります。
例としては、主要駅から徒歩10分圏内であること、角部屋や最上階であること、周辺にショッピング施設が多いことなどが挙げられます。
そのほか、築浅であること、大規模修理直後かリフォーム後のマンションであるなどでしょう。
つまり注意点としては、これらに当てはまらない物件は売れにくく、リースバック以外の売却方法も視野に入れて考えていく必要があるのです。
その場合、売却後でもそこに住み続けられるといったメリットと、逆に物件を手放すデメリットなどをよく比較したうえで検討してください。
次の注意点として、売却後はその物件の所有者ではなく賃借人と、その立場が変わってしまうため、管理組合の組合員としての資格が失われてしまうといったものがあります。
管理組合とはそのマンションの共有資産を管理する団体で、ここには所有者のみが参加できるため、賃借人となった場合は管理組合から外れなければいけません。
この管理組合の組合員としての資格がなくなれば、管理組合の最高意思決定機関である総会への参加権と総会での議決権も失ってしまうわけです。
リースバックは周りに気付かれずに自宅を売却できるのがメリットとしてありますが、マンションの場合、管理組合の役員にはその事実が知られてしまいます。
つまり自宅を売却した事実が隠し切れない状況が発生するため、世間体を気にする方であれば、その点はあらかじめ覚悟しておく必要があるのです。
またリースバックの魅力の1つとして、将来的に買い戻しができるといったものがありますが、すべての不動産会社がそれに対応しているとは限りません。
仮に対応してくれる不動産会社であっても、この買い戻しに関しては特約として設定されているケースが多く、そのままの契約では付帯されていないため注意してください。
ほかにも賃貸借契約を普通の契約、つまりそこに積み続けられるといった条件ではなく、定期賃貸借契約としての契約を求められる場合があるためこちらも注意が必要です。
まとめ
なんらかの理由により、まとまった現金が必要となった場合にこのリースバックは便利なものです。
売却後もそれまでどおりの生活を送れるといった点が大きな魅力と言え、また特約を付ければ買い戻しもできるわけです。
ただ便利ではある反面、定期賃貸借契約など注意すべき点もあり、利用の際はしっかり確認しましょう。
目次