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社会問題になっている空き家の増加を阻止しようと、2023年に「空き家対策特別措置法」の改正がおこなわれました。
空き家を所有している方は、法改正によりどのような点が変更されたのか、しっかり把握しておく必要があります。
そこで今回は、空き家対策特別措置法改正のポイントや認定された場合の影響について解説します。
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2023年に改正!空き家対策特別措置法のチェックポイント
日本における空き家の数は、1998年からの20年間で約1.5倍にまで増加しているのが現状です。
このような問題を解消するため、2015年に制定されたのが「空き家対策特別措置法」です。
しかし法律が制定されてもなお問題は解消せず、現在も空き家の数は増加の一途を辿っています。
そこで政府は、従来の法律をブラッシュアップし、2023年6月に法改正をおこないました。
ここでは、改正によりどのような点が変更となったのか、注目すべきポイントをご紹介します。
「管理不全空き家」の新設
注目すべき一つ目のポイントは「管理不全空き家」が新設されたことです。
これまでの法律では、行政指導の対象を「特定空家」のみとしていました。
特定空家とは、そのまま放置すると周囲に悪影響を及ぼすと判断された空き家のことです。
たとえば、今にも倒壊しそうなほど老朽化した空き家や、害虫や悪臭が発生している空き家などが挙げられます。
法改正後は、特定空家となる恐れのある「管理不全空き家」も行政指導の対象となっています。
管理不全空き家の詳しい内容については、後ほど解説します。
特定空家への措置を円滑化
法改正により特定空家への措置が円滑化された点も、理解しておきたいポイントです。
従来の空き家対策特別措置法では、特定空家に指定されるとまず行政から助言や指導が入ります。
それでも空き家の状態を改善できないでいると、勧告や命令に切り替わり、最終的には強制解体となります。
原則として緊急時にもこのステップを踏まなければならず、災害時などの安全確保の障壁となっていました。
それが法改正により、緊急対応が必要な場合には、命令などの手続きを省略した代執行(強制解体)が可能となっています。
つまり、倒壊の危険性が高い建物などに関しては、従来の手続きを踏まなくても建物を強制的に解体できるということです。
また、その際にかかった解体費用に関しても、所有者の財産から強制的に徴収することが可能です。
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2023年に空き家対策特別措置法が改正!管理不全空き家とは
前章でも解説したように、法改正後は管理不全空き家が新設されています。
改正前からある特定空家と改正後の管理不全空き家では、どのような点が異なるのでしょうか。
ここからは、空き家対策特別措置法における特定空家と管理不全空き家の特徴について解説します。
特定空家とは
特定空家とは、そのまま放置すると周囲に悪影響を及ぼすと判断された空き家のことです。
おもに以下のような状態の空き家が挙げられます。
●倒壊する可能性があり保安上危険となる恐れがある
●衛生上有害となる恐れがある
●適切な管理がおこなわれていないことで著しく地域の景観を損なっている
●地域の生活環境を守るため放置することが不適切である
なお「空き家」とは、1 年以上人が住んでいない、または使われていない家のことです。
空き家が特定空家に指定されるかどうかは、各市町村が判断します。
管理不全空き家とは
管理不全空き家とは、このまま放置すると特定空家になる恐れがある空き家のことです。
たとえば、雑草が生い茂って建物全体を覆っていたり、窓の一部が割れていたりする状態が挙げられます。
特定空家に指定される1つ前の段階とイメージすると良いでしょう。
管理不全空き家は特定空家よりもさらに多く、全国で24万戸以上はあるとされています。
固定資産税の増税に注意
特定空家や管理不全空き家に指定されると、固定資産税の負担が増える可能性があります。
なぜなら、これまで利用できていた「住宅用地の特例」を適用できなくなるためです。
住宅用地の特例とは、建物が建っている土地に適用される特例です。
200㎡以下の部分は固定資産税が6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されます。
たとえば、固定資産税評価額が3,000万円(敷地面積 150㎡)の土地があるとしましょう。
1年間に支払う固定資産税は、特例を適用しないと29万4,000円、特例を適用すると7万円です。
このように、特例適用の有無で固定資産税の納税額が大きく異なります。
従来の空き家対策特別措置法では、特定空家に限り特例の適用対象外としていました。
しかし法改正後は、管理不全空き家も同様に軽減措置の適用対象外となっています。
「利益を生まない空き家にお金をかけたくない」と思う方も多いのではないでしょうか。
将来住んだり活用したりする予定がなければ、管理不全空き家に指定される前に売却することをおすすめします。
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2023年に空き家対策特別措置法が改正!特定空家の認定を回避する方法
特定空家や管理不全空き家の認定を回避するには、事前の対策がなによりも重要です。
最後に、特定空家や管理不全空き家に認定されるのを防ぐ3つの方法を解説します。
定期的に管理をおこなう
空き家を所有し続けるのであれば、定期的な管理を欠かさずにおこないましょう。
特定空家や管理不全空き家に認定される物件は、その多くが放置されている空き家です。
住宅は人が住まなくなると、日常的に換気や掃除がされないため、急激に劣化が進みます。
著しく劣化した建物は倒壊の危険性が増すため、特定空家や管理不全空き家に指定される可能性が高いです。
住宅の劣化を抑えるには、定期的に掃除や換気、メンテナンスをおこなう必要があります。
ご自身で管理するのが難しい場合は、不動産会社に管理を委託することをご検討ください。
空き家を活用する
将来空き家に住む予定がある場合は、その日がくるまで賃貸物件として貸し出すという方法もあります。
賃貸物件として貸し出せば、入居者が換気や掃除をおこなってくれるため、管理不足による劣化を防げるでしょう。
ただし賃貸経営をおこなうには、それなりのリスクが伴います。
空室期間が長引くと収益を得られないため、入居者を集めるためにさまざまな工夫をしなければなりません。
入居者の募集や物件の管理などは管理会社に委託できますが、その場合は費用が発生します。
空き家を売却する
将来空き家を利用する予定がなければ、資産価値が低下する前に売却を検討するのがおすすめです。
空き家を売却すれば、特定空家や管理不全空き家に認定される心配もありません。
また、固定資産税やメンテナンス費用が不要になり、金銭面の負担も軽減できます。
なお売却方法には、不動産会社に売却を依頼する「仲介」と、不動産会社が物件を買い取る「買取」の2種類があります。
もっとも一般的なのは仲介による売却で、高値で売却しやすい点がメリットです。
一方で買取は、売却価格が相場よりも低くなるものの、即現金化できるというメリットがあります。
高値で売却したい場合は仲介、すぐに手放したい場合は買取のように、状況に応じて選択すると良いでしょう。
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まとめ
空き家対策特別措置法は、社会問題になっている空き家の増加問題を解決するために制定された法律です。
法改正におけるチェックポイントは、おもに「管理不全空き家の新設」と「特定空家への措置の円滑化」です。
特定空家や管理不全空き家に認定されないよう適切な管理をおこない、活用予定がなければ売却を検討しましょう。
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- ▼ 2023年に空き家対策特別措置法が改正!管理不全空き家とは
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