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建物の資産価値は築年数を経るにつれ減少するため、購入したときよりも、不動産売却時に価格が下がっていることがあります。
不動産の価格に、築年数を経ることにより、減少する資産価値を反映する基準が「耐用年数」といわれるものです。
今回は、不動産売却における耐用年数とはどのようなものかについて、減価償却との関係もあわせて解説します。
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不動産売却における耐用年数とは?3つの耐用年数の違いを解説
大切な資産である不動産を売却するとき、売却価格に関係する要素を知っておくことは大切です。
まずは、不動産売却における耐用年数の概要と、3つの種類から解説します。
耐用年数とは?
マンションや一戸建て住宅などの建物は、築年数を経るにつれ、徐々に資産価値が減少することが一般的です。
そのため、不動産売却をするときには、購入時からの減価がどれくらいかを求める必要があります。
不動産売却における耐用年数とは、減価の計算に用いられるものです。
たとえば、鉄筋コンクリート造のマンションであれば、耐用年数は47年と設定されています。
この年数は、税務上の基準であり、建物が使用できる寿命とは異なります。
たとえば、価値が2,000万円とされる不動産の耐用年数が20年であれば、資産価値は20年後に0円です。
しかし、資産価値が減少していても、住み続けることはできます。
また、耐用年数と似たイメージの言葉に、耐久年数がありますが、耐用年数とは異なるものです。
耐久年数とは、メーカーが独自に決めた基準で、問題なく使うことができる年数の目安です。
耐用年数の3つの考え方
不動産の耐用年数を決める考え方には、物理的耐用年数と法定耐用年数、経済的残存耐用年数の3つが挙げられます。
それぞれ、年数が示す意味などに違いがあります。
物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、劣化することにより、その不動産の建物が使えなくなるまでの年数です。
具体的には、構造物の仕組みや材質の品質が保たれる期間を指しています。
物理的耐用年数が、用いられているものには、バッテリーやテレビといった家電製品が挙げられます。
家電製品は耐用年数を過ぎてしまうと、十分な使用が難しくなり処分する場合もあるため、物理的耐用年数の考え方が用いられやすいのです。
法定耐用年数
耐用年数の3つの種類のなかで、もっとも目にしやすいのが、法定耐用年数といえるでしょう。
法定耐用年数は、公平に不動産ごとの価値を計算できるように国が設定したものです。
建物の構造や種類、用途から法定耐用年数は定められており、建物の評価額の判定には法定耐用年数を用いることが一般的です。
法定耐用年数が示す年数とは、税法上の価値があるとみなされる期間を指すもので、その年数を過ぎても使用はできます。
固定資産税は建物の所有者が支払う税金ですが、税額の算出には、建物の価値を公平に割り出すことが必要です。
この建物価値を公平に割り出す際に、法定耐用年数が使われています。
経済的耐用年数
経済的耐用年数は、どれくらいの期間を継続して使用できるのか、物や不動産の価値がなくなるまでの年数を示すものです。
耐用年数を過ぎてしまうと、使うことができないわけではありません。
経済的耐用年数では、劣化の度合いや建物の機能のほかに、先でおこなわれるメンテナンスなども考慮されて耐用年数が割り出されます。
物が壊れるまでの期間を示す物理的耐用年数より計算しやすい一方で、公平性に欠けることも特徴です。
また、使い方により変化を生じやすい建物について、物理的耐用年数を用いることは、ほとんどありません。
そのため、不動産の耐用年数については、基本的に法定耐用年数が用いられています。
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建物構造で異なる!売却時に押さえておきたい不動産の耐用年数
耐用年数が適用されるのは、経年による劣化が生じる物に対してとなるため、不動産については経年劣化のおこらない土地には、耐用年数は用いられません。
不動産売却で一般的に用いられる法定耐用年数では、建物構造や建物の種類によって、定められている耐用年数が異なってきます。
一戸建て住宅の建物構造
一戸建て住宅では、木造の建物構造が採用されていることが一般的です。
建物構造が木造で、新築一戸建て住宅の場合、法定耐用年数は22年です。
仮に、不動産の価格4,400万円の木造住宅で考えると、1年ごとに資産価値が200万円減少していることになります。
すると、法定耐用年数を迎える22年後に、物件の資産価値が0円に至る計算です。
建物構造が同じ木造の一戸建て住宅であっても、中古住宅を不動産売却する場合には、耐用年数を求める計算式が変わってきます。
「(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%」で、割り出すことが可能です。
すでに法定耐用年数を超えた築年数の場合には、計算式は「法定耐用年数×20%」を用います。
つまり、木造の場合は「22年×4年」で計算しますが、法定耐用年数を超えた木造の中古一戸建て住宅の耐用年数は、一律で4年となります。
マンションの建物構造
SRC造といわれる鉄骨鉄筋コンクリート造は高層マンションで、RC造といわれる鉄筋コンクリート造は一般的なマンションで採用される建物構造です。
これらの建物構造の耐用年数は、47年です。
耐用年数の長さから、マンションは比較的資産価値が下がりにくいことが特徴といえます。
なお、マンションも、中古の不動産については、一戸建て住宅と同様の計算式を用います。
木造アパートの建物構造
木造アパートの建物構造には、木骨モルタル造が採用されているケースがあり、木骨モルタル造の法定耐用年数は20年と比較的短い年数です。
耐用年数が短い不動産は、資産価値の減少速度が早いことを表します。
売却査定にも影響する可能性があるため、気を付けたいポイントです。
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不動産売却時に必要になる減価償却!耐用年数との関係と計算方法
資産である不動産を売却する際には、耐用年数とあわせて、減価償却も押さえておきたい要素となります。
最後に、不動産売却における耐用年数と減価償却の関係や、減価償却の計算方法を解説します。
減価償却とは?
減価償却とは、家などの償却資産を購入したときの購入金額を一定年数で割り、年ごとの経費で計上する会計処理のことです。
仮に、3,000万円の不動産を購入したとして、代金である3,000万円の全額を購入年の経費として計上はしません。
物件の購入日から、耐用年数が終了するまでの年数に分け、経費として計上するのが減価償却の会計処理です。
減価償却が不動産売却で必要になる場面
売却に取り組む際、減価償却の仕組みを知っておくと、税金の申告時にも役立ちます。
不動産の売却益を譲渡所得といいますが、譲渡所得がプラスになると、所得税や住民税が課税されるため確定申告も必要です。
譲渡所得の計算は「収入金額-(取得費-減価償却費)-譲渡費用」です。
計算式に含まれる取得費とは、建物を購入した代金と、取得に必要になった諸費用を合算したものになります。
土地は経年劣化しませんが、建物は経年により資産価値が減るため、建物の取得費からは減価償却費を引くことが必要です。
減価償却費を計算する方法
減価償却費の計算方法は、「建物部分の取得費 × 0.9 × 償却率 × 経過年数」の式で割り出せます。
計算式の「0.9」は、建物の取得費から、法定耐用年数が過ぎても建物に残る残存価値(購入費用の10%)を差し引くためです。
償却率は、その年度の経費の計算に購入価格の何%までを含めて良いかの割合です。
マイホームための建物は、耐用年数に関わらず、建物構造で償却率が定められており、国税庁のHPで確認することができます。
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まとめ
不動産の価値を割り出す際には、公平性の高い法定耐用年数が用いられ、その年数は建物構造別で異なります。
売却時には、物理的耐用年数、法定耐用年数、経済的残存耐用年数の3つの考え方があり、それぞれの意味や違いを理解することが重要です。
また、不動産売却時には、耐用年数とあわせて、減価償却も押さえておき、その計算方法を理解することが必要です。
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