相続対策の1つとして活用できる制度に「養子縁組」があります。
養子縁組は、相続税の節税対策が期待できるほか、法定相続人になれない方に遺産を相続することも可能です。
そこで、相続における養子縁組とはなにか、相続対策で養子縁組をおこなうメリットや注意点について解説します。
これから、相続をする予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
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相続における養子縁組とは?
本来であれば、遺産を相続できるのは法律で定められた「法定相続人」のみです。
しかし、法定相続人ではない方に遺産を相続させたい場合、「養子縁組」をおこなうことにより、相続が可能になります。
ここでは、そもそも養子縁組とはなにか、また代表的な養子縁組の3つのパターンについて解説します。
養子縁組とは?
養子縁組とは、本来親子関係がない方と、法律上で親子関係を生じさせる手続きのことです。
この養子縁組には以下のように2つの種類があります。
●普通養子縁組:養子となったあとも実父母との親子関係が継続する
●特別養子縁組:養子関係になると実親との親子関係が断ち切られる
普通養子縁組は、実父母の相続と養父母の両方からの相続を受ける権利があります。
一方で、特別養子縁組は、養父母のみの相続権があり、実母父に相続が発生しても相続する権利はありません。
このうち、一般的に「養子」と呼ばれるのは、普通養子縁組を指しています。
特別養子縁組は、特別な事情がある場合にのみ活用されるケースが多いといえるでしょう。
養子になると実子と同じ法定相続人になる
養子は、養子縁組をおこなった日から実子と同じ法定相続人として扱われます。
つまり、養子先の父母に実子がいたとしても、養子と実子は同じ扱いになるため、同じ権利を持つことになります。
そのため、相続順位や法定相続分も実子と同じ順位で、同じ割合を取得でき、養子だからといって区別されることはありません。
養子縁組する代表的な3パターン
養子縁組の代表的なパターンは以下の3つのような場合です。
●再婚した配偶者の連れ子を養子にする
●孫を養子にする
●子の配偶者を養子にする
再婚した配偶者に連れ子がいたとしても、血縁関係がないため相続人とはなりません。
相続人とするには、養子縁組をする必要があります。
また、孫も法定相続人ではないため、養子縁組をすれば実子と同じ権利を持つことが可能です。
そのほかにも、子の配偶者を養子し、相続人とするケースもあります。
たとえば、被相続人の生前に子の妻が献身的にサポートしていた場合、少しでも遺産を相続させたいと考えるでしょう。
このような場合は、養子縁組にすれば第1順位になるため、確実に相続させることができます。
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相続対策として養子縁組をするメリットとは?
養子縁組は、実は相続対策として利用されるケースも少なくありません。
ここでは、相続対策として養子縁組するメリットを解説します。
メリット①基礎控除額が増える
相続税には、一定の金額まで非課税となる「基礎控除額」が設けられています。
基礎控除額は、法定相続人の数によって異なり、人数が多いほど受けられる控除額は大きくなります。
基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算され、受けられる控除額は以下のとおりです。
●相続人の数が1人の場合:基礎控除額3,600万円
●2人の場合:4200万円
●3人の場合:4,800万円
●4人の場合:5,400万円
●5人の場合:6,000万円
養子縁組によって法定相続人が増えれば、それだけ基礎控除額も大きくなるため、相続税対策となります。
メリット②生命保険金などの非課税控除額を増やせる
亡くなったときに支払われる生命保険金や死亡退職金などは「みなし相続財産」とされ、相続税の課税対象となります。
ただし、これらのみなし相続財産にも非課税限度額が設けられています。
この非課税限度額も、基礎控除額と同様に法定相続人の数によって金額が異なるのです。
非課税限度額は「500万円×法定相続人」で計算され、法定相続人が多いほど節税になります。
メリット③相続人の立場を継承できる
養子縁組をおこなうことは、相続対策にメリットがあるだけではありません。
養子縁組は、相続人の立場を継承できるメリットもあります。
被相続人(亡くなった方)と血縁関係がなければ、相続権はありません。
養子縁組をすることにより、実子と同様に相続人とすることができるため、相続人でない方に遺産を相続させたい場合には、メリットとして大きいといえるでしょう。
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相続対策で養子縁組をする際の注意点
養子縁組は、メリットだけでなく注意すべき点もいくつかあります。
後悔やトラブルにならないためにも、注意点についても把握しておきましょう。
相続対策で養子縁組をする際の注意点を解説します。
注意点1:相続争いの可能性がある
養子縁組によって、養子も実子と同様に遺産を相続することが可能になります。
実子からすれば、養子がいることで相続割合が減ってしまうため、あまり良い気がしないでしょう。
また、遺産分割協議は、法定相続人が増えるほど話し合いがまとまらず、揉めやすくなります。
そのため、養子と実子とで権利を主張し合い、相続争いに発展するケースも少なくありません。
相続人が多い場合など、トラブルに発展しそうな場合は、遺言書の存在が有効といえるでしょう。
注意点2:相続税が2割加算になることもある
孫を養子縁組する際は、相続税が2割加算になる可能性があるため、注意しなければなりません。
一般的に、被相続人の子や父母などの一親等の血族や配偶者以外の方が、相続財産を取得すると相続税が2割加算されます。
対象は、二親等の血族の兄弟姉妹や孫、三親等の甥や姪です。
養子縁組すれば、実子と同じ立場になるため、本来であれば2割加算は対象になりません。
しかし、養子が孫の場合は、例外となり2割加算が適用されるため注意が必要です。
その理由は、孫を養子縁組して、相続税を一代飛ばして節税をしようと考えている方がいるためです。
ただし、被相続税の子が相続時にすでに亡くなっており、孫が代わりに代襲相続する場合は、2割加算の対象外となります。
注意点3:相続対策の場合は養子縁組を否認されることもある
養子縁組を相続対策のためだけにおこなうと、不当と税務署に判断されるケースがあります。
不当とされれば、養子縁組による法定相続人の増加が認められなくなります。
どのようなケースが不当と判断されるか、明確な基準はありませんが、被相続人が亡くなる直前に養子縁組をしていた場合は、認められない可能性が高いといえるでしょう。
また、養子縁組をおこなったにもかかわらず、養子に遺産を取得させていないような場合も否認される恐れがあります。
これは、基礎控除額を増やすためだけに養子縁組をおこなったと見なされるためです。
なお、養子縁組が認められなければ節税対策とならないのはもちろんのこと、再度相続税の申告をしたり追徴課税を求められたりするため、注意が必要です。
そのため、相続対策による養子縁組をする際は、事前に専門家の意見を聞きながら進めることをおすすめします。
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まとめ
養子縁組は、法定相続人でない方を相続人にしたい場合など、優先的に相続できるため非常に有効な手段とされています。
また、養子縁組をおこなえば、法定相続人の数が増えるため、基礎控除額を増やせるなど相続対策にもなります。
しかし、養子縁組をおこなうことにより、相続人同士で相続争いが発生する可能性が高くなるため、注意が必要です。
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