納税者が計算して申告する相続税は、自己申告納税制度に基づき、申告内容が正確であると見なされて処理されます。
そのため、実際よりも多く納税していても税務署からの通知はないですが、相続税の返還がされる場合には、所定の手続きをおこなえば、還付金を受け取れます。
この記事では、相続税の過払いが発生する原因や具体的な事例、手続き方法について解説します。
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相続税を納めすぎてしまう理由について
過去に相続税を多く納めていた場合、「更正の請求」という手続きを通じて、国から返金を受け取れます。
このプロセスを「相続税還付」といい、申告後に計算ミスや土地評価の誤りが判明した際に適用されます。
適切な手続きを行えば、払いすぎた税金が戻る可能性があります。
遺産税は、被相続人が亡くなって相続開始を知った翌日から10か月以内に申告し、納税しなければなりません。
期限を過ぎると無申告加算税が課されるため、相続者はこの短期間で情報を収集し、書類を作成して遺産税を計算しましょう。
納税者自身が計算して申告する遺産税は、自己申告納税制度に基づいて処理され、申告内容が正しいものとされます。
相続税を払いすぎてしまう理由
相続税を本来の金額よりも多く払ってしまう理由には、相続に関わるさまざまな事情があります。
計算ミスや相続財産の誤評価、未分割の遺産などが発覚した場合には、遺産税を正しく計算し直すのが必要です。
遺産税は自主申告制であるため、すべてが正しく計算されているとは限りません。
しかし、計算ミスがあって遺産税を多く払っていたとしても、税務署からの通知は来ないため注意が必要です。
その結果、過払いに気づかないまま期限を過ぎると、返金を受けられません。
ただし、申告額が適切であるかの確認がおこなわれ、不足が判明した場合は、不足分を支払う義務が生じます。
土地を相続した際には、相続税の支払いが必要となるケースが多くあります。
土地の評価には基本的なルールがありますが、多くの減額要因が存在するため、実際の評価は複雑で理解しにくいものです。
適切な評価がおこなわれなかった場合、実際の納税額よりも高い金額が請求される可能性があります。
税の評価は、毎年7月1日に国税庁が公表する「路線価」を基に算出されます。
そのため、自身でも適切な相続税を支払っているかを確認しておきましょう。
納税済みの相続税を取り戻せる?
なぜ納税済みの相続税を取り戻せるのでしょうか。
それは、土地を相続した際に税理士によって評価額に差が生じるためです。
土地の評価は不動産関連法規の専門知識が必要なほど難解です。
遺産税専門の税理士が再度土地の評価を行い、その結果評価額が下がる場合、税務署に「更正の請求」をおこないます。
この請求が認められれば、すでに支払った税が返金される可能性があります。
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相続税還付の期限
相続税還付を受けるためには期限を守らなければなりません。
ここでは、遺産税還付の期限や返還率、土地評価の見直しの重要性についてご説明します。
相続税還付の期限は5年
相続税還付の申請期限は、申告から5年です。
つまり、遺産税の申告期限から5年が経過すると、税を過払いしていても返済を受けられません。
申告期限は、被相続人の死亡を知った日から10か月以内です。
したがって、返済金を受けるためには、被相続人の死亡を知った日から5年10か月以内に手続きをおこなう必要があります。
たとえば、2022年1月1日に被相続人が亡くなった場合のスケジュールは次のとおりです。
●亡くなった事実を知った日:2022年1月1日
●遺産税の申告期限:2022年11月1日(原則)
●遺産税還付手続きの期限:2027年11月1日(原則)
納税額の20%は返還される可能性あり
返済額は個別のケースによって異なりますが、平均的には納税額の20%程度が返還される場合が多いです。
たとえば、土地の評価を見直した結果、大幅な減額が認められた場合には、返済額が納税額の半分以上に達するケースもあります。
大きな還付金を受け取る可能性があるため、専門家のアドバイスを受けるのが重要です。
更正の請求手続きの流れ
更正の請求による遺産税還付を希望される方は、以下の手順が必要です。
まず、契約書に署名と押印をいただき、契約が締結され、当税理士法人から税務署へ必要な書類を提出します。
次に、税務署からお客様または当税理士法人へ更正通知書が届くと、国税還付金振込通知書がお客様に送付され、税務署からお客様の口座へ還付金が振り込まれます。
最後に、お客様から当税理士法人へ報酬をお支払いいただき、手続きは完了です。
この手続きは契約から完了まで、全体で12から18か月かかるのが一般的です。
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相続税が還付された事例
遺産税が還付されるケースにはさまざまな理由があります。
とくに土地の評価に関しては、見直しによって返済が認められる場合が多いです。
そのため、正しい知識を持って、必要な対応をする必要があります。
ここでは、広大地と不整形地に関する事例をご紹介します。
広大地の事例
広大地評価は、土地の評価額を大幅に下げるため、高い節税効果があるとして注目されてきました。
平成29年度の税制改革で広大地評価は廃止され、「地積規模の大きな宅地」という新しい制度が設けられましたが、平成29年12月31日までに相続した土地については、5年10か月以内に更正の請求手続きをおこない、広大地評価が適用される場合があります。
広大地とは、標準的な宅地面積よりも広い土地を指し、判定の基準は以下の3つです。
1つ目は大都市圏の市街化区域で500㎡以上、その他のエリアで1,000㎡以上の土地になります。
2つ目は大規模な工場やマンションの建設には向かない土地です。
3つ目は戸建分譲地として開発する際に、道路や公園などの公共公益施設の建設が必要となる土地になります。
ある事例では、隣接する2区画の土地を相続し、それぞれ個別に評価して相続税を申告した結果、実際よりも多く納税していた事実が判明しました。
隣接する2区画の土地にフェンスなどがなければ、1つの広い土地として評価されるため、広大地の要件に該当します。
不整形地の事例
不整形地とは、正方形や長方形の整った形ではなく、台形や三角形などの不規則な形状の土地です。
こういった土地は、全部をうまく使うのが難しいので、最大で40%の評価減が認められ、納税額が少なくなります。
高低差がある崖地や傾斜地も不整形地に含まれます。
相続税を計算する際には、まず国税庁の地積区分表を見て、相続した土地がどの地区区分や地積区分に当てはまるかを調べます。
次に、相続した土地が整形地であったと仮定した場合の1㎡あたりの単価を算出し、不整形地以外の部分を「かげ地」と呼びます。
これらの事例からも分かるように、土地の評価見直しが遺産税の還付において重要な役割です。
適切な手続きをおこなうことで、大幅な還付金を受け取る可能性があります。
そのため、適切な手続きをおこない、通常得られるべき還付金を受け取りましょう。
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まとめ
土地を相続した際に、相続税の還付が認められるケースが多く見られます。
納付した相続税が実際よりも高額である可能性があると感じた場合は、相続専門の税理士に相談するのがおすすめです。
払いすぎた税金を取り戻すには、過去に納めた税の再評価とともに、土地を現場まで赴き、調査をおこなう必要があります。
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